無限に広がる周期性を特徴とする結晶構造と、多数の原子や原子団を含む複雑な分子構造を表現する立体モデルを折り紙で作りました。多面体の骨格構造（スケルトン）を使って結晶構造を表現する結晶モデル（特許第2790247号）や、折り紙の色の組み合わせを利用して鏡像体分子を視覚的に表現する分子モデル（特許出願中）など、折り紙モデルは物質の世界に潜む自然の魅力を折り紙という手工芸品を通して我々に語りかけてくれます。紙という平面から物質の立体モデルが組み立てられるなんて、なんと不思議なことでしょう。ここにご紹介する作品は、炭素原子のみを含む物質の多様な構造を表現する、カーボンファミリーの折り紙モデルです。筆箱の中の鉛筆から眩い輝きのダイヤモンド、そして科学技術の最先端で研究されているフラーレンやカーボンナノチューブに至るまで、炭素原子は我々の日常生活のあらゆる分野で活躍しています。