流れと渦・光琳墨流し
神戸芸術工科大学学生/高木 隆司

伝統的な流れ模様の創り方に、墨流しがある。水面の一部を何かで動かしてやると、水面に浮いていた墨が、乱れを含む複雑な模様を創る。この模様には、秩序と乱れが混在している。一見してひたすら乱れているように見えるが、それは、我々の目が乱れに気をとられるからである。墨流し模様の一部に着目すると、縞模様が平衡に並んでいることがわかる。そこに秩序が隠されているのである。尾形光琳の「紅白梅図」では、中央の川の水面にみごとな渦模様が描かれている。これも、秩序と乱れの融合である。それに負けじと、その部分を墨流しに置き換えてみた。墨流しを作ってくれたのは、神戸芸術工科大学の学生諸君である。